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旗幟。

こんばんは。

随風さんです。


タイトルの意味。
辞書ででも調べてください。
きし、と読みます。



「身を守るため」

武道を志す人の多くが、その修練に励む理由をこう述べます。
私は武道をやっている人に必ず問います。
「どうして始めたのか」を。

で、その回答の大半がこれだったりします。
判で押したようなこの回答、私は薄っぺらいなと感じてしまいます。
なぜか?
正しい心で武を学ぶ者は、自ずから違うのです。

目つき一つとっても違います。
所作も、考え方まで普通の人とは異なります。
鋭い人間は、武の心得のある人を鋭敏に見抜きます。
見抜くというよりも、感覚的に感じ取る、と言ったほうが正確かも知れません。
オーラ、と言ってもいいかもしれない。
兎に角、違うのです。

今の世の中、普通の生活を送っていれば
それほど身の危険を感じるような事はないでしょうし、
決して少なくない時間や労力を費やして
身に着ける価値があるものなのか、と考えると、
必ずしも是とは言えないものだと思います。



私は、こう答える事にしています。

「理不尽な暴力から家族や大切な人を守り、
  自らが敵と考える相手が、
  自分達を攻撃する事を躊躇させるため」

私が持っている技術は、丸腰でも武器を携帯しているに等しい攻撃力を持つ技術です。
ともすれば、相手を殺しかねない危険な技術でもあります。
それを自覚しているからこそ、自らを律しますし、
安易にその技術を用いる事はしません。
…少なくとも、今までに使った事はありません。



「抜かずに勝つ」

剣を用いる武道の究極はこれだそうです。

刀を抜けば、どちらかが死ぬか怪我をします。
しかし刀を抜くことなく、相手を屈服させる事ができるなら、
誰も血を流さなくともすむ。

これほど良い話はない訳です。

争い事を好む人間などいません。
しかし、男という生き物は生まれながらにして
争う事を宿命づけられた生き物であるとも言えると思います。
会社での競争も争いでしょう。
より良い成績を収める事、勝つ事が至上命題となります。



私が武を志した切っ掛けは、
強さ、を求めたからでした。

その強さとは何でしょう?
腕力じゃありません。

自分が自分らしく生きていく強さ。
味方が一人も居なくなったとしても、
最期まで自分の旗を振って生きていく事ができる、
そんな強さです。

それを最近、思い出したのでした。

自分を見失い、自らの死を望み、
全てに絶望して、そんなことを完全に忘れていた自分に気づきました。

週末、そんなことを考えていた、
そして間違いに気づき、
「やりなおし」を始めた随風なのです。




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